中古車購入後のクーリングオフは可能?適用されるケースを確認しておこう

公開日:2023/07/15  最終更新日:2023/04/05


中古車は新車より価格が安いとはいえ、大きな買い物であることには変わりはありません。できることなら慎重に見極めたいものですが、なかには購入後に不備や問題が発覚し、返品を考える方もいることでしょう。そこで今回は、中古車にクーリングオフは適用できるかといった点のほか、適用条件などについても解説します。

中古車購入後のクーリングオフは可能?

結論から申し上げると、中古車はクーリングが原則適用されません。つまり中古車を購入した以上、後からキャンセルすることはできないため、中古車選びは購入前から慎重に見極める必要があります。

クーリングオフとは、商品購入後8日以内であれば無条件で契約の取り消しができる制度のことですが、全ての取引で適用されるわけではなく、適用には一定の条件が課せられています。その条件とは、「購入者が契約を考える時間が少ない」、「販売者が一方的に購入者に出向いて販売する」ケースであり、具体的には電話販売・訪問販売・マルチ商法などが該当します。

そのため、中古車は何十万円という高額な商品であり、多くの方は車を吟味したり、ほかの店舗と比較したり、スタッフに質問したりといった具合で慎重に検討する場合がほとんどです。つまり、購入者が自分の意志で商品を選んでいるという前提があるため、ほかにも購入後に不備が発覚しても、販売店に責任があると証明するのが難しいといった理由もあります。そのため、慎重に行った方が賢明です。

中古車購入後のキャンセルが可能なケース

中古車購入後のキャンセルは基本的にできませんが、例外的にキャンセルが認められるケースもあります。下記にて詳しく紹介します。

契約条件が成立する前

中古車の契約は料金を支払えば成立するわけではありません。実際には「車の引き渡しが完了する」「名義変更など必要書類が提出される」「車の整備が着手される」の3つが条件であると日本中古自動車販売協会連合会(JU)が明確に定めており、ほとんどの中古車販売店も加入しています。

つまり上記3点が成立する前であれば、中古車のキャンセルは可能なので、購入前には契約書に契約条件が成立する日にちをよく確認しておきましょう。また、たとえ契約後であっても1~2時間後といった短時間であれば手続きも進んでいないことが多く、場合によってはキャンセルできることもあります。

キャンセル条件が記載されている場合

販売店によっては契約書にキャンセル期間を設けていることもあり、期間内であればキャンセルが可能です。とはいえ無条件にキャンセルできるわけではなく、通常はキャンセル料の支払いを求められるので、事前に条件をよく確認しておきましょう。ちなみにキャンセル料は車の価格の10%が相場とされています。

修復歴車と知らずに購入した場合

修復歴車とは、事故によってフレームなど車の主要部分を損傷した車を指します。販売店には「瑕疵(かし)」という不具合や欠点を伝えるよう義務付けられており、修復歴車も瑕疵にあたるため説明責任があるわけですが、なかには修復歴車と気付かなかったり、故意に隠していたりするケースもあります。修復歴車だと知らずに購入すれば、すぐに異変を感じることもあります。

こうした場合であればキャンセルが可能なほか、損害賠償も請求できる仕組みとなっています。ただし購入から長期間が過ぎてしまうと、販売店に責任があると証明するのが難しくなるため注意も必要です。ほかにも、口約束で購入した場合や、未成年者が購入した場合でもキャンセルが可能です。

問題のある中古車を事前に見抜く方法

修復歴車のように大きなダメージを負っている中古車であれば、販売店も事前に詳細を伝えてくれるほか、記載を義務付ける仕組みもあるため簡単に見抜けますが、問題を抱えている中古車として、水害車や塩害車・雪害車など数多くあります。こうした中古車は、記載の義務がないため、購入の際には問題がないか慎重に判断しなければなりません。

ではどのようにして見抜けばよいのかというと、ボディやエンジンルーム、車内を確認して見抜ける方法があります。

たとえば、ボディに歪みや隙間が空いていれば修復歴はなくとも軽微な衝突事故に遭った可能性が高く、エンジンルームやトランクルームがひどく錆びていれば塩害車の可能性があります。

また、車内がどこかカビ臭かったり、シミや汚れが異様に目立っていたり、内装の一部に泥が溜まっていたりすると、水没車の可能性が高いため注意が必要です。

このように、問題のある中古車は事前にさまざまな個所から判断できるほか、第三者機関の評価点から判断したり、相場に対して価格が異様に安かったりといった点からも判断できるため、購入前にはできる限り確認しておきましょう。

まとめ

中古車は購入者が自分の意志で選んでいるという理由からクーリングオフが適用されておらず、購入後のキャンセルは基本的にできない仕組みとなっています。そのため軽い気持ちで購入しないよう、くれぐれもご注意ください。特に中古車は同じ状態の車が存在しない以上、購入前によく確認しておくことが必要不可欠であり、しっかりと吟味するからこそ納得のいく購入にもつながります。購入の際にはキャンセルができないと念頭に置いたうえで選ぶようにしましょう。

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