中古車購入前に知っておきたい委任状の書き方のポイントについて解説!
「新車を買いたいけど、なかなか手が出ない」そう考えている人にとって、中古車はとても魅力的な存在です。しかし、中古車購入には色々な書類が必要となります。今回取り上げる委任状もその一つです。今回は委任状とは何か、委任状の書き方のポイント、注意するべきポイントなどについて解説します。
中古車を購入する際に委任状は必須?
委任状とは特定のことを誰かに委任したことを証明する書類のことです。中古車を購入するとき、名義変更をはじめとしてさまざまな手続きが必要となります。しかし、自分自身ですべての手続きをするのは大変です。
そこで、中古車を扱っているカーディーラーや中古車販売店に手続きを委任する必要があります。委任状が必要な理由はなりすましを防止するためです。委任状が効力を発揮するのは車両の名義変更を行うときです。中古車の場合、車検証に記されている名義は購入者以外の人となっています。
そのため、購入と同時に車の所有者であることを示すため、名義変更しなければならないのです。その手続きを中古車販売業者が滞りなく行うには購入者からの委任状が必要というわけです。名義変更手続きをするには普通車なら陸運支局、軽自動車なら軽自動車検査業界に出向かなければなりません。
しかし、これらの機関は平日の日中しか対応してくれません。そこで、平日に動きにくい購入者の代わりに、販売した事業者が代理として名義変更してきます。ちなみに、新車購入時にも車両の新規登録手続きが必要であるため、委任状が必要です。本人が名義変更する場合は、委任状が不要となります。委任状を出して販売店に手続きを依頼すると手数料が2~3万円程度かかりますが、本人が手続きすると実費だけで済みますので、購入費用を節約することが可能です。
ただ、名義変更手続きは煩雑で、慣れていない人にとってはかなり大変な作業になるかもしれません。手間と労力を考えると、委任状を出して手続きを依頼するほうが無難ではないでしょうか。
中古車を購入する際の委任状の書き方のポイント
委任状はどのように書いたらよいのでしょうか。中古車を購入すると、たいていのディーラーや中古車販売店は委任状のひな型を用意してくれます。そのため、一から自分で用意するケースはまれです。しかし、業者によってはひな形がない場合もあります。
その時は、国土交通省のホームページからダウンロードできます。委任状の必要事項は以下のとおりです。
・受任者の氏名と住所
・委任者の氏名と住所
・申請の種類
・車体番号
受任者とは、委任される側のことですので代理で手続きしてくれる業者を記入します。委任者とは、委任する側ですので自分の名前と住所を記入します。申請の種類は中古車購入にともなう名義変更ですので移転登録と記入します。車体番号は車検証に記載されているため、それを転記しましょう。
店舗で購入した時は、業者が記載してくれることが多いです。これらのことを記入した後で、本人が署名・捺印します。委任状は本人の直筆でなければ効力を発揮しません。家族であっても本人以外の署名は無効になるので注意しましょう。押印するときの印鑑は実印でなければなりません。複数の印鑑を持っているときは、市町村役場で印鑑登録すると公的な手続きで使用する実印をつくることができます。
また、委任状には捨印を押すのが一般的です。捨印とはあらかじめ文章の余白部分(今回の場合は委任状の余白部分)に委任状作成時に使用した実印を押しておき、誤りが見つかったときに訂正印として使えるようにするものです。こうすることで、書類に不備があった時に現場で対応できるようにします。そういった用途があるものですので、捨印をしておくのが無難といえます。
委任状の書き方に関する注意点もチェック!
委任状について注意するべきことは以下の3点です。
・手書きで書く
・用途を明確にする
・不要な委任状は返してもらう
委任状は手書きで書かなければなりません。といっても、全文を手書きで書く必要はなく、委任者と受任者の住所・氏名は手書きで書けば、ほかの部分はプリントアウトしたもので問題ありません。用途を明確にすることも重要です。「とりあえず、名前を書いて印鑑を押してほしい」というのは白紙委任であり、どのような用途にも転用できるのでリスクがあります。
中古車の名義変更であれば、その旨が書かれた委任状に署名・押印しましょう。また、委任状は手続きが終わり次第、返却してもらうのが無難です。意図的に悪用される可能性は高くありませんが、個人情報が記載された書類ですので、自分自身で破棄するのがよいでしょう。
まとめ
今回は中古車購入時に必要となる委任状についてまとめました。委任状は事業者に名義変更などの手続きを代行してもらうために必要な書類です。代行を依頼すると手数料がかかりますが、自分で行う労力と比べると委任状を出して代行してもらった方が不備なく手続きが進むのでおすすめです。委任状は販売店が用意してくれることも多いですが、用意されていなくても国土交通省のホームページからダウンロードできます。必要事項を手書きで記入し、押印・捨印をして事業者に預けましょう。手続き終了後は委任状を返却してもらい、自分で処理すると個人情報流出を心配しなくて済みます。